
📑 この記事の内容
まず、デジタルマーケティングの定義から整理していきましょう。デジタルマーケティングとは、デジタル技術を活用したあらゆるマーケティング活動のことを指します。Webサイトだけでなく、スマホアプリ、デジタルサイネージ、IoTデバイス、さらにはオフラインのPOSデータや位置情報まで、デジタルで取得できるデータを活用したマーケティング全般が含まれます。つまり、インターネットに限定されない、もっと広い概念なんですね。
デジタルマーケティングの特徴は、大きく3つあります。1つ目は「オムニチャネル」。これは、オンラインとオフラインの垣根を越えて、あらゆる顧客接点を統合的に管理するという考え方です。たとえば、Webサイトで商品を見たお客さんが、実店舗で購入して、その後アプリでリピート注文する。こうした一連の流れを一貫して把握できるのが、デジタルマーケティングの強みです。
💡 ポイント
デジタルマーケティングは「Web限定」ではなく、デジタル技術を使ったマーケティング活動すべてを指す。アプリ、IoT、店舗データなども含まれる。
2つ目の特徴は「データドリブン」。デジタルマーケティングでは、顧客の行動データをリアルタイムで収集・分析して、施策に反映させていきます。「なんとなく効果がありそう」ではなく、数字に基づいて判断できるのが大きなメリットです。たとえば、メールの開封率、広告のクリック率、サイトの滞在時間など、あらゆる指標を見ながらPDCAを回せます。勘や経験だけに頼らず、データで意思決定できるのがデジタルマーケティングの本質です。
3つ目は「パーソナライゼーション」。収集したデータを活用して、一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーションができます。「30代女性向け」といった大雑把なセグメントではなく、「先週カートに商品を入れたまま離脱したAさん」に対して、ピンポイントでアプローチできる。これは従来のマーケティングでは難しかったことです。
📝 補足
デジタルマーケティングは2010年代から本格的に広まった概念。スマートフォンの普及とデータ分析技術の進化が背景にある。
このように、デジタルマーケティングは「デジタル技術を活用して、データに基づいた顧客中心のマーケティングを行う」という広い概念なんです。では、Webマーケティングとはどう違うのか。次のセクションで見ていきましょう。

次に、Webマーケティングの定義を確認しておきましょう。Webマーケティングとは、その名の通り「Webサイトを中心としたマーケティング活動」のことです。自社サイトへの集客、サイト内での回遊促進、そしてコンバージョン(問い合わせや購入)の獲得。この一連の流れをWeb上で最適化していくのがWebマーケティングの役割です。デジタルマーケティングが「デジタル全般」なのに対して、Webマーケティングは「Webサイト」という特定の領域に焦点を当てているんですね。
Webマーケティングに含まれる主な施策を挙げてみます。まず「SEO(検索エンジン最適化)」。GoogleやYahoo!の検索結果で上位表示を狙い、自然検索からの流入を増やす施策です。広告費をかけずに継続的な集客ができるため、多くの企業が取り組んでいます。次に「リスティング広告」。検索キーワードに連動して表示される広告で、即効性があるのが特徴です。SEOは効果が出るまで時間がかかりますが、リスティング広告なら今日から集客を始められます。
| 施策 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| SEO | 検索エンジンで上位表示を狙う | 中長期的な効果、広告費不要 |
| リスティング広告 | 検索連動型の有料広告 | 即効性あり、費用対効果を測定しやすい |
| コンテンツマーケティング | 有益なコンテンツで集客 | 信頼構築に有効、資産として蓄積 |
| LPO | ランディングページ最適化 | CVR改善に直結 |
| EFO | 入力フォーム最適化 | 離脱率低減 |
他にも「コンテンツマーケティング」や「LPO(ランディングページ最適化)」「EFO(エントリーフォーム最適化)」など、Webサイト上で行う施策は多岐にわたります。Webマーケティングの基本は「サイトに人を集めて、サイト上で成果を出す」というシンプルな構造です。この点をしっかり押さえておくと、デジタルマーケティングとの違いが見えやすくなります。
⚠️ 注意
Webマーケティング=SEOだけ、と思われがちですが、それは誤解。広告運用、コンテンツ制作、サイト改善まで含む幅広い領域です。
ここで一つ、よくある誤解に触れておきます。「Webマーケティングは古い手法で、これからはデジタルマーケティングだ」という意見を聞くことがありますが、これは正確ではありません。Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部であり、今でも重要な領域です。特に10名以下の会社にとっては、まずWebサイトでの集客基盤を固めることが先決。いきなりオムニチャネルやIoTに手を出す必要はありません。
Webマーケティングの範囲が明確になったところで、次はいよいよ両者の違いを具体的に比較していきましょう。
SEOの仕組みについてもっと深く知りたい方は、以下の記事も参考になります。

ここからが本題です。デジタルマーケティングとWebマーケティング、この2つの違いを4つの観点から整理していきます。漠然と「デジタルの方が広い」と理解するのではなく、具体的にどこがどう違うのかを把握しておくと、自社の戦略を考えるときに役立ちます。
まず注目したいのが、活用する「チャネル(顧客接点)」の範囲です。Webマーケティングが対象とするのは、基本的にWebサイトとそれに紐づくオンラインの接点です。自社サイト、ブログ、Web広告、メールマガジンといったところですね。一方、デジタルマーケティングはこれに加えて、スマホアプリ、SNS、デジタルサイネージ、店舗のPOSシステム、IoTデバイスまで含みます。たとえば、コンビニで買い物したときのPOSデータと、Webサイトの閲覧履歴を組み合わせて分析する、といったことがデジタルマーケティングでは可能になります。
次に見逃せないのが、カバーする「購買プロセスの範囲」の違いです。Webマーケティングは主に「認知」から「比較検討」「購入」までの、いわゆる購買ファネルの上〜中流をカバーします。検索で見つけてもらい、サイトで情報を提供し、問い合わせや購入につなげる。ここまでがWebマーケティングの守備範囲です。デジタルマーケティングは、これに加えて「購入後」のフォローアップやリピート促進、さらには「推奨」(口コミ、紹介)まで視野に入れます。顧客との関係を長期的に構築していくという視点が加わるんですね。
💡 ポイント
Webマーケティングは「集客→CV」が主戦場。デジタルマーケティングは「購入後」や「リピート」まで含めた顧客ライフサイクル全体を見る。
特に重要なのが、求められる業務内容とスキルセットの違いです。Webマーケティング担当者に求められるのは、SEOの知識、Web広告の運用スキル、アクセス解析の能力、コンテンツ制作のディレクションなど。「Webサイトを軸にした集客」に特化したスキルが中心です。デジタルマーケティングになると、これに加えてデータベースの知識、CRMツールの活用、MA(マーケティングオートメーション)の設計、さらにはオフラインデータとの統合といった、より広範なスキルが求められます。
意外と見落としがちなのが、事業全体へのインパクトの違いです。Webマーケティングは「Webからの売上を増やす」という、比較的明確なゴールに向かいます。施策の効果も測定しやすく、費用対効果を計算しやすいのが特徴です。一方、デジタルマーケティングは事業モデルそのものを変える可能性を持っています。たとえば、顧客データを活用した新サービスの開発、サブスクリプションモデルへの転換、パーソナライズされた顧客体験の提供など。「マーケティング」の枠を超えて、経営戦略レベルの話になることもあります。
| 観点 | Webマーケティング | デジタルマーケティング |
|---|---|---|
| 範囲・チャネル | Webサイト中心 | アプリ、IoT、店舗データなど広範 |
| ファネル | 認知〜購入 | 購入後、リピート、推奨まで |
| 求められるスキル | SEO、広告、アクセス解析 | 上記+CRM、MA、データ統合 |
| 事業インパクト | Web経由の売上増 | 事業モデル変革の可能性 |
🔴 重要
どちらが優れているという話ではない。自社の規模、リソース、目的に応じて「今やるべきこと」を選ぶのが正解。
この4つの観点を押さえておけば、「うちに必要なのはWebマーケティングなのか、デジタルマーケティングなのか」という判断がしやすくなります。次のセクションでは、実際の使い分けについて考えていきましょう。
企業サイトでのSEO対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
→ コーポレートサイトのSEO対策|信頼性を高める7つの施策

「デジタルマーケティングとWebマーケティング、うちはどっちをやればいいの?」この質問をよく受けます。結論から言うと、ほとんどの中小企業は、まずWebマーケティングから始めるのが正解です。理由はシンプルで、Webマーケティングはデジタルマーケティングの「土台」になるからなんですね。
ちょっと想像してみてください。オムニチャネルだ、MAだ、と言っても、そもそもWebサイトに人が来ていなければ、統合するデータがありません。高度なパーソナライゼーションをやろうにも、顧客情報が蓄積されていなければ始まらない。まずはWebサイトで「集客→成約」の流れを作り、そこで得たデータや顧客基盤をもとに、徐々にデジタルマーケティングへ拡張していく。この順番が自然です。
💡 ポイント
「いきなりデジタルマーケティング」ではなく、Webマーケティングで土台を固めてから拡張していく順番がおすすめ。
具体的な判断基準を示すと、こんな感じになります。「自社サイトからの月間問い合わせが10件未満」「SEOやWeb広告にまだ本格的に取り組んでいない」「Googleアナリティクスのデータを定期的に見ていない」。こういった状態なら、間違いなくWebマーケティングから着手すべきです。逆に、Webからの集客が安定していて、顧客データベースも整っていて、さらに成長を加速させたいというフェーズなら、デジタルマーケティングへのステップアップを検討する時期かもしれません。
大事なのは「流行っているから」「競合がやっているから」ではなく、自社の現状に合った施策を選ぶこと。あなたの会社にとって必要なのはどちらか、冷静に見極めていきましょう。
⚠️ 注意
「デジタルマーケティング」という言葉に惑わされて、基本的なWebサイトの集客をおろそかにしてしまうケースが意外と多い。まずは足元から。
僕も最初は分からなかったんですけど、いろんな会社を見てきて思うのは、派手な施策より地道な積み上げの方が結局強いということ。SEOでコツコツ記事を書いて、サイトの使いやすさを改善して、問い合わせフォームを最適化して。こういう基本的なことを徹底している会社が、結局は成果を出しています。
AI時代のSEOの変化について詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
→ SEO対策イノベーション2025|AI時代に変わる検索の攻略法と実践手順

ここで、デジタルマーケティングで使われる主な手法を整理しておきましょう。Webマーケティングの施策(SEO、リスティング広告など)に加えて、デジタルマーケティングではさらに広い範囲の施策が含まれます。全部やる必要はありませんが、どんな選択肢があるのかを知っておくと、将来の拡張を考えるときに役立ちます。
まず押さえておきたいのが、MA(マーケティングオートメーション)です。見込み客の行動に応じて、自動でメールを送ったり、スコアリングしたり、営業に通知を出したりする仕組みです。たとえば、「資料をダウンロードした人に3日後にフォローメールを送る」「サイトを3回以上訪問した人を優先リードとして営業に渡す」といったことが自動化できます。
次に見逃せないのが、CRMとの連携です。CRMは顧客情報を一元管理するシステムですが、デジタルマーケティングではこのCRMデータとWebの行動データを組み合わせて分析します。「過去に購入してくれたお客さんが、最近またサイトを見に来ている」といった情報が分かれば、アップセルやクロスセルのチャンスを逃しません。
特に重要なのが、SNSマーケティングの位置づけです。SNS(Instagram、X、Facebook、LINEなど)を活用したマーケティングは、WebマーケティングとデジタルマーケティングOD境界領域にあります。SNSからWebサイトへ誘導するならWebマーケティング的な使い方ですし、SNS上で直接購入まで完結させたり、顧客コミュニティを形成したりするならデジタルマーケティング的な活用です。
📝 補足
LINEの公式アカウントを使った顧客コミュニケーションは、御社のような小さな会社でも比較的取り組みやすいデジタルマーケティング施策の一つ。
意外と見落としがちなのが、データ分析基盤の整備です。デジタルマーケティングを本格的に行うには、各チャネルのデータを統合して分析できる環境が必要になります。Googleアナリティクスだけでなく、BIツール(Tableauやデータポータルなど)を使って、複数のデータソースを横断的に見られるようにしておくと、より精度の高い意思決定ができます。
そして最後にオムニチャネル。オンラインとオフラインの垣根を越えて、一貫した顧客体験を提供する考え方です。「Webで見て、店舗で試して、アプリで購入」といった顧客行動を、途切れなくサポートできるのがオムニチャネルの理想形です。ただし、これを実現するにはシステム投資も必要になるので、中小企業が最初から目指す必要はありません。
| 手法 | 概要 | 中小企業での優先度 |
|---|---|---|
| MA | 見込み客の自動フォロー | 中〜高(リード数次第) |
| CRM連携 | 顧客データの一元管理 | 中(顧客リスト活用に有効) |
| SNS | ソーシャルメディア活用 | 高(コストをかけずに始められる) |
| データ分析 | 複数データの統合分析 | 低〜中(まずはGA習熟から) |
| オムニチャネル | オンオフ統合 | 低(実店舗がある場合は検討) |
全部を一度にやろうとすると破綻しますから、自社の状況に合わせて優先順位をつけていくのがコツです。

ここまで、デジタルマーケティングとWebマーケティングOD違いを見てきました。最後に、明日から何をすればいいのかを整理しておきましょう。
まず確認してほしいのは、御社のWebサイトが「集客装置」として機能しているかどうかです。GoogleサーチコンソールとGoogleアナリティクスは設定済みですか?毎月どれくらいの人がサイトに来ていて、どのページが見られていて、どこから問い合わせが入っているか、把握できていますか?もしこの基本ができていないなら、デジタルマーケティングの話はまだ早いです。まずはここからです。
🔴 重要
「デジタルマーケティングをやりたい」の前に、Webサイトからの集客・成約の流れができているかを確認。基本なくして応用なし。
Webマーケティングの土台ができたら、次のステップとして「顧客データの蓄積と活用」を考えていきましょう。問い合わせしてくれたお客さんの情報を、ちゃんとリスト化していますか?購入後のフォローメールは送っていますか?リピーターを増やす施策は何かやっていますか?こうした「購入後」の施策ができるようになってきたら、それはもうデジタルマーケティングの領域に踏み込んでいます。
SEOは今後どうなっていくのか、気になる方も多いと思います。AI時代のSEO戦略について詳しくまとめた記事があるので、参考にしてみてください。
→ SEOはオワコンなのか?AI時代の新しいSEO戦略を解説
デジタルマーケティングもWebマーケティングも、結局は「お客さんとの接点を増やし、関係を深めていく」という点では同じです。言葉の定義にこだわりすぎる必要はありません。大事なのは、自社の状況に合った施策を、一つずつ着実に積み上げていくこと。派手な施策より、地道な改善の繰り返しが、長い目で見ると一番強いんです。
もし「うちの場合、何から手をつければいいんだろう?」と迷っているなら、まずは現状のWebサイトの診断から始めてみませんか。何ができていて、何が足りないのか。どこにボトルネックがあるのか。それが分かれば、次にやるべきことが見えてきます。

デジタルマーケティングは「デジタル全般」、Webマーケティングは「Webサイト中心」。御社がまず取り組むべきは、Webマーケティングで集客の土台を固めること。その上で、必要に応じてデジタルマーケティングへ拡張していくのが現実的なステップです。
ポイント
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