
📑 この記事の内容
デジタル化の最初の壁は、意外にも「何を解決したいのか分からない」ってところなんです。世の中では「DX」「デジタルトランスフォーメーション」といった言葉が飛び交っているけれど、具体的に自分の会社で何をどうすればいいのか、イメージが湧かない。これは恥ずかしいことでも何でもなくて、むしろ多くの経営者が抱えている共通の悩みなんですよね。漠然と「効率化したい」「コストを下げたい」と思っていても、それが具体的にどの業務のことなのか、どんなツールを使えばいいのか、そこまで落とし込めていないケースがほとんどです。
たとえば「請求書の処理が面倒」という悩みがあったとして、それを解決するツールは山ほどあるんです。でも、そもそも「請求書の処理が面倒」という課題を言語化できていないと、ツールを探すことすらできない。課題の言語化ができていないまま「なんかいいツールないかな」と探し始めても、結局どれを選べばいいか分からなくなってしまいます。ここが最初の大きなハードルなんですよね。
💡 ポイント
デジタル化の第一歩は「ツール選び」ではなく「困っていることの書き出し」から。まずは日々の業務で「面倒だな」と感じていることを3つ書き出してみてください。
解決策としては、まず1週間の業務日報をつけてみることをおすすめします。何にどれくらい時間がかかっているか、どの作業で「面倒だな」と感じたか、それを記録するだけでいいんです。僕も最初はそこから始めました。記録してみると「あ、この作業に毎日30分も使ってたんだ」という発見があります。課題が見えれば、解決策は自然と見つかるものなんです。逆に言えば、課題が見えていない状態でツールを導入しても、使いこなせずに終わってしまうことが多いんですよね。
⚠️ 注意
「とりあえず流行りのツールを入れてみる」はNG。課題が明確でないまま導入すると、使われないまま月額費用だけが発生し続けることになります。
課題の洗い出しができたら、次は優先順位をつけていきます。すべてを一度にデジタル化しようとすると、確実にパンクします。まずは「毎日発生する」「時間がかかっている」「ミスが起きやすい」という3つの条件に当てはまる業務から手をつけるのがコツです。小さな成功体験を積み重ねることで、デジタル化への抵抗感も薄れていきますよ。

デジタル化が進まない理由として、めちゃくちゃ多いのが「難しそう」というイメージの問題なんです。ITとかデジタルって聞くだけで、なんだか専門的で自分には無理だと思ってしまう。これ、すごく分かるんですよね。特に50代以上の経営者の方に多い傾向があります。パソコンは使えるけど、新しいツールを覚えるのは億劫。そんな気持ちが、デジタル化を後回しにしてしまう原因になっています。
でも実際のところ、今のITツールってびっくりするほど簡単になっているんです。10年前、15年前のソフトウェアとは全然違います。昔はマニュアルを読み込んで、設定をいじって、エラーが出たら自分で調べて…という感じでしたけど、今のクラウドサービスは「登録したらすぐ使える」レベルのものがほとんどです。スマホのアプリを使うような感覚で業務ツールが使える時代になっています。
| 比較項目 | 10年前のツール | 今のクラウドツール |
|---|---|---|
| 導入方法 | CD-ROMからインストール | ブラウザでアカウント作成のみ |
| 初期設定 | 専門知識が必要 | ガイドに沿って数クリック |
| サポート | 電話・メールで問い合わせ | チャット・動画マニュアル完備 |
| 費用 | 数十万円の買い切り | 月額数百円〜数千円 |
たとえば、会計ソフトのfreeeやマネーフォワードなんかは、銀行口座を連携するだけで自動的に仕訳をしてくれます。専門知識がなくても、ある程度の経理処理ができてしまう。「難しそう」というイメージと、実際の使い勝手には大きなギャップがあるんですよね。
💡 ポイント
多くのクラウドツールは無料お試し期間があります。「難しそう」と思ったら、まず無料で触ってみる。それが一番の近道です。
「難しそう」は、やってみる前の想像でしかないんです。実際に触ってみると「あれ、思ったより簡単じゃん」となることがほとんどです。最初の一歩を踏み出すハードルを下げるために、まずは無料で試せるツールから始めてみてください。いきなり有料プランを契約する必要はありません。使ってみて「これは便利だ」と実感できてから、本格導入を検討すればいいんです。
IT化が進んでいる会社と進んでいない会社の差って、実は能力の差じゃないんですよね。「やってみるかどうか」の差だけなんです。最初の一歩さえ踏み出せば、あとは意外とスムーズに進んでいきます。
デジタル化とDXの違いについて詳しくは以下の記事で解説しています。
→ デジタル化とは?DXとの違いを中小企業向けに分かりやすく解説

デジタル化を進めたいけど、それを担当できる人材がいない。これも本当によく聞く悩みなんです。大企業なら情報システム部門があって、専門のスタッフがいる。でも10人以下の会社だと、そんな余裕はないですよね。社長自身がやるか、たまたまパソコンに詳しい社員に押し付けるか。どちらにしても、本業の片手間でやることになるので、なかなか進まないんです。
さらに言うと、デジタル人材を採用しようと思っても、今の求人市場ではかなり厳しいんですよね。IT人材の不足は深刻で、大企業ですら採用に苦戦しているのが現状です。中小企業が高い給料を出せるわけでもないし、「うちに来てください」と言っても選んでもらえない。この人材不足の問題は、正直なところ簡単には解決できない構造的な課題なんです。
🔴 重要
デジタル人材を「採用する」のではなく「外部を活用する」という発想の転換が必要です。すべてを社内で完結させようとしない。
じゃあどうすればいいか。僕がおすすめしているのは、外部人材の活用なんです。フルタイムで雇う必要はなくて、必要なときだけサポートしてもらえばいい。今はフリーランスのITコンサルタントや、中小企業向けのデジタル化支援サービスがたくさんあります。月に数時間だけ相談に乗ってもらう、という使い方もできるんですよね。
もう一つの解決策は、社内の「ちょっと詳しい人」を育てること。ゼロからIT人材を育てるのは大変ですけど、「このツールの使い方を覚える」レベルなら、数時間の研修で十分です。専門家になる必要はなくて、「このツールならある程度使える」という人が1人いるだけで、だいぶ違ってきます。完璧な人材を求めるのではなく、「60点の対応ができる人」を育てる発想が大事なんです。
📝 補足
経済産業省の調査によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予測されています。だからこそ、外部活用と社内育成の両輪で考える必要があります。
あとは、ツール選びの段階で「サポートが充実しているか」を重視するのも手です。導入後に分からないことがあっても、チャットや電話ですぐ聞けるサービスを選んでおけば、社内に詳しい人がいなくても何とかなります。人材がいないなら、人材がいなくても回る仕組みを作ればいいんです。

「デジタル化にはお金がかかる」というイメージ、ありますよね。確かに、大規模なシステム導入となれば数百万円、数千万円という費用がかかることもあります。でも、小さな会社のデジタル化って、実はそこまでお金がかからないんです。月額数百円から数千円で使えるクラウドツールがたくさんあって、それらを組み合わせるだけでも十分な効果が得られます。
問題は、費用対効果が見えにくいことなんですよね。「このツールを入れたら、どれくらい効率が上がるの?」「投資した分は回収できるの?」という疑問に、明確な答えを出すのが難しい。特に、効果が「時間の短縮」という形で現れる場合、それを金額に換算しにくいんです。「月に10時間の作業が削減できます」と言われても、それが自分の会社にとってどれくらいの価値なのか、ピンとこない。
| ツール種類 | 月額費用目安 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| クラウド会計 | 1,000〜3,000円 | 経理作業50%削減 |
| 勤怠管理 | 300〜500円/人 | 集計作業80%削減 |
| ビジネスチャット | 0〜500円/人 | メール対応時間30%削減 |
| クラウドストレージ | 500〜2,000円 | ファイル検索時間70%削減 |
💡 ポイント
費用対効果を計算するときは「1時間あたりの人件費×削減時間」で考えてみてください。月に10時間削減できれば、時給2,000円として月2万円の価値があります。
費用対効果を考えるコツは、まず「時間」を「お金」に換算することなんです。たとえば、ある作業に月10時間かかっているとして、それが5時間に短縮できるとします。その5時間を時給換算すると、だいたいの金額が出ますよね。月額1,000円のツールで月5時間(1万円相当)が浮くなら、十分に元が取れる計算になります。
「お金がない」のではなく「効果が見えないから投資できない」というのが本質なんです。だからこそ、まずは無料ツールや安価なツールで小さく始めて、効果を実感してから本格投資を検討する。このステップを踏むことで、「費用対効果が分からない」という不安を解消できます。最初から大きな投資をする必要はありません。
⚠️ 注意
「安いから」という理由だけでツールを選ぶのは危険です。使いにくいツールを導入すると、結局使われなくなって、安かった費用すら無駄になります。
補助金や助成金を活用するのも一つの手です。IT導入補助金やものづくり補助金など、デジタル化を支援する制度はいくつかあります。申請の手間はかかりますけど、費用の半分から3分の2が補助されるケースもあるので、検討する価値は十分にあります。

経営者がデジタル化を進めたいと思っていても、現場から「今のままでいいじゃないですか」と言われてしまう。これ、けっこうあるあるなんですよね。特に長年同じやり方で仕事をしてきたベテラン社員ほど、新しいやり方に抵抗を感じやすい。「今まで問題なくやってきたのに、なぜ変える必要があるの?」という気持ちは、正直なところ理解できます。
この抵抗感の根っこにあるのは、変化への不安なんです。新しいツールを覚えなきゃいけない、今までのやり方が否定される気がする、自分の仕事がなくなるかもしれない。そういった不安が、「今のままでいい」という言葉になって出てくるんですよね。だから、この抵抗感を「わがまま」として片付けてしまうと、うまくいきません。
🔴 重要
デジタル化は「仕事を奪う」のではなく「面倒な作業から解放する」ためのもの。この認識を社内で共有することが、抵抗感を減らす第一歩です。
解決策として効果的なのは、小さな成功体験を積むことなんです。いきなり大きな変革を押し付けるのではなく、まずは一つの業務、一つのツールから始める。「あ、これ便利かも」と現場が感じてくれれば、次の提案も受け入れてもらいやすくなります。僕の経験上、最初の一つがうまくいくと、現場から「次はこれもデジタル化できませんか?」と提案が上がってくるようになるんですよね。
もう一つ大事なのは、現場の声を聞くことです。「このツールを使え」とトップダウンで押し付けるのではなく、「この作業、面倒だと思ってない?」と聞いてみる。現場が「面倒だ」と感じている作業を解決するツールなら、抵抗感なく受け入れてもらえます。デジタル化の主役は現場であって、経営者ではないんです。
📝 補足
変化に対する抵抗は人間として自然な反応です。「抵抗する社員が悪い」のではなく、「抵抗が生まれにくい進め方」を考えることが大切です。
あとは、導入の段階で「使い方の説明会」を丁寧にやることも重要です。「あとは各自で覚えて」だと、結局使われなくなってしまいます。最初の1〜2週間は手厚くサポートして、「分からないことがあったらすぐ聞いてね」という雰囲気を作る。この初期対応が、定着率を大きく左右します。

ここまで読んで「課題は分かった。でも結局、どこから始めればいいの?」と思っている方も多いんじゃないでしょうか。デジタル化できる業務は山ほどあるし、ツールも無数にある。選択肢が多すぎて、逆に動けなくなってしまう。この「選択のパラドックス」も、デジタル化が進まない大きな原因の一つなんです。
僕のおすすめは、「毎日やっている作業」から始めることなんです。週に1回しかやらない作業より、毎日やっている作業をデジタル化した方が、効果を実感しやすいですよね。たとえば、毎日の勤怠管理、日報の作成、請求書の処理。こういった「頻度が高い作業」から手をつけると、効果がすぐに見えるので、モチベーションも維持しやすいんです。
💡 ポイント
迷ったら「紙でやっている作業」をリストアップしてみてください。紙をデジタルに置き換えるだけでも、検索性・共有性が格段に上がります。
具体的なステップとしては、こんな流れがおすすめです。まず、1週間の業務を書き出す。次に、その中で「紙を使っている作業」「手入力している作業」「繰り返しやっている作業」にマーカーを引く。そして、マーカーが付いた作業の中から「一番面倒だと感じるもの」を一つ選ぶ。その一つをデジタル化するツールを探す。このステップなら、「どこから始めればいいか分からない」という状態から抜け出せます。
| 着手の優先度 | 業務の特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| 高 | 毎日発生・手作業が多い | 勤怠管理、日報、経費精算 |
| 中 | 週1〜月1・ミスが起きやすい | 請求書発行、在庫管理 |
| 低 | 年数回・複雑な判断が必要 | 契約書作成、事業計画 |
完璧な計画を立ててから始めようとすると、永遠に始まらないんです。まずは一つ、小さなことから始めてみる。やってみて「これはいい」と思えば続ければいいし、「合わないな」と思えば別の方法を試せばいい。トライ&エラーを繰り返しながら、自分の会社に合ったやり方を見つけていくのが、結局は一番の近道なんですよね。
⚠️ 注意
「全部を一気にやろう」としないこと。一度に複数のツールを導入すると、どれも中途半端になって定着しません。一つずつ、確実に。
製造業でのデジタル化事例について詳しくは以下の記事で紹介しています。

ここまで6つの課題と解決策を紹介してきましたけど、正直なところ「分かったけど、やっぱり一人じゃ難しい」と感じている方もいると思うんです。それ、当たり前の感覚なんですよね。本業を回しながら、デジタル化のことまで考えて、ツールを選んで、導入して、社員に教えて…。これを全部一人でやろうとしたら、パンクしますよ。
僕自身、15年間いろんな事業をやってきて、すべて独学で進めてきました。だから「分からない人の気持ち」はめっちゃ分かるんです。分からないことが分からない状態で、何から聞いていいかも分からない。そういうモヤモヤした状態って、本当につらいですよね。だからこそ、一緒に考えてくれる存在が必要なんだと思っています。
🔴 重要
デジタル化は「導入して終わり」ではなく「定着するまで」がゴール。導入後のサポートがあるかどうかで、成功率は大きく変わります。
外部の専門家に頼むのは、決して「丸投げ」ではないんです。自分の会社のことは自分が一番分かっている。でも、ITツールのことや効率化のノウハウは、専門家の方が詳しい。お互いの得意分野を持ち寄って、一緒に進めていく。それが「伴走型」の支援なんです。先生と生徒の関係ではなくて、同じ目線で一緒に悩んでくれるパートナー。そういう存在がいると、デジタル化のハードルはぐっと下がります。
デジタル化支援サービスを選ぶときは、「何をしてくれるか」だけでなく「どう向き合ってくれるか」を見てください。専門用語ばかりで話す人、上から目線で「こうすべきです」と押し付ける人は、たぶん合わないと思います。「御社の状況だと、こういう方法もありますよ」と、選択肢を一緒に考えてくれる人。そういうパートナーを見つけることが、デジタル化成功の鍵なんです。
📝 補足
デジタル化支援を受けている企業は、受けていない企業に比べてデジタル化の成功率が2倍以上高いというデータもあります。
デジタル化支援サービスの評判について詳しくは以下の記事で紹介しています。
デジタル化が進まない原因は「難しさ」ではなく「何から始めればいいか分からない」こと。小さく始めて、一人で抱え込まないのがコツなんです。
ポイント
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